NYCマラソン
最近は東京の宝、高尾山で時々走っている
mountain masochistのHと申します。
ちなみに 靴はモントレイルではなく
日本のメーカーによる日本製のスニーカーです。
made in Japanは なんだかんだ言ってもやはり最高だと思いますよ。
それに気づいたので 細々と内需応援もかねて
最近は着るものと食べるものは極力日本製にこだわっています。
知り合いにも一人 意外な日本製品のファンがいらっしゃいます。
ひょんなことで知り合ったマラソン仲間です。
私が初めて留学したばかりの頃。
年末の恐ろしく寒い日 今日はメトロ代を節約して歩いたら死ぬと思い
地下鉄に乗った所、真っ青な顔をしてずぶぬれのTシャツとランパンだけで
震える初老の男性に遭遇したことがあります。
普段は不親切で極悪非道な私でも 素敵な白髪男性が凍える姿に萌えて
思わずハンドタオルやら手拭いやら使い捨てカイロを差出しながら声をかけてしまいました。
コールドルームでの実験作業着に持っていた上着と軍手を貸すと
大変喜んで下さったので ポットの残りのむぎ茶をすすめた所
若干怯えながら飲んだ途端ハァァと息をつき 気に入って下さいました。
(日本のお茶といえばグロサリーストアで売られている
缶ボトルに芸者のイラストがついた砂糖入り緑茶・麦茶しか飲んだ事が無く
初見では一口含んだら出してしまったとのことでした。)
ペンステーションという東京駅の様な大きな駅で乗り換えた後も
私はコールドスプリングハーバー駅まで
彼はその次のハンプトン駅まで行くというので同車の人に。
道中話を伺うと その悲惨な身なりの可哀相な初老の男性は
ホームレスである訳でもなく オイハギに遭った訳ではなく
NYCマラソンのラン帰りだそうでした。
彼はNYCマラソンに参加した後帰宅しようとしたものの
開催の為に規制した交通復帰が混乱を極めていて
大混雑をかき分けて駐車場に戻ると車が盗難に遇っていて
その他いくつかの不運が重なってコートもウェストポーチも失い
着替えも車での帰宅も迎えの車を呼ぶことも無理だったので
地下鉄に乗ったのだそうです。
ペンステーションの乗換時に彼の交通費の心配をする私に
「私はホームレスではなく、電車賃はなんとかなると思うけど
お茶をご一緒してくれたらとても嬉しい」
と仰るので 可哀相に。。やはり寒くておなか空いているんだと
誤解した私が売店で紅茶とスープとパンとココアと
チョコレートがけのビスコッティを買って渡したら
「他意のつもりだったんだけど。。本当に私はホームレスじゃないよ!」
と笑いながら彼は それしか着ていなかった
青いずぶ濡れTシャツを指さしました。
彼はそのTシャツにプリントされた某銀行のエラいさんで
マラソン大会の主催側ですが一緒に楽しみたくて
NYCマラソンに初参加したそうです。
極限的な寒さと雨と空腹と尿意に耐えてなんとか完走したら
休憩所もトイレもパンク状態、ゴールのベーグルやコーヒーのサービスも品切れ。
その上車は盗難に遭い 所持金は非常時用に持っていた20ドルだけ。
部下か知り合いを探すもそれどころではない大混雑で全てを諦めて
仕方なくTシャツ短パンで震えながら地下鉄に乗ったら
君にホームレスと勘違いされてお茶と夕食を御馳走になったんだと
笑っていました。
その時はそんな感じで大変失礼をしてしまったのに
そのお茶と軽食を私への借りと思っていらっしゃるのか
今でも折に触れてスイス出身者らしくチョコレートを送って下さいます。
私も御礼に日本ならではの品をご挨拶代わりに送っているのですが
東京マラソン初年の4年前に
「東京マラソンのニュースを見たよ!
沿道で東京物産のお菓子や軽食をみんなに配っていたと聞いて驚いた。
東京人は気前がいいね!ところでNINGYO-YAKIって人魚の形なの?」
とのメールを頂いたので
「そういう気前の良さとやりすぎてしまう位の親切心を
江戸っ子気質というんですよ。」
と返事をし、その年は浅草の人形焼きを送ってみましたが
フィギュア大の人魚の形をしたケーキを想像していらした様で
「人魚じゃないんだ。。」とあからさまにガッカリされて笑いました。
今年送ったエアー足袋は「すごいいいな、これ!」と大好評でした。
過去送った駄菓子の中で 枝豆むいちゃいましたが一番ウケたのですが
アメリカ人にとって あの枝豆の人気はなんなんでしょうか。
ィエダマーミーではなく エダマメですよ。
枝豆以上にウケの良い日本のスナックは何かないでしょうか。
マンハッタンで地下足袋で走っているガイジンさんに出会っても
ホームレス扱いしないであげてください。
東京マラソンはNYCマラソンと比べて
設備も沿道の方々のたくさんの温かい支援の面でも
開催時期(NYは真冬、東京は春の始め)の点でも
とても恵まれているマラソン大会だと思いました。