20100319

2009年冬、日比谷公園にて 余記

先日の日記の余記です。
(いつものように 無推敲メモです。論点もオチもありません。)


私は派遣村の活動や存在を否定する気持ちは無く
むしろ素晴らしい活動だと尊敬しておりました。

だからこそ 余計な小細工や小芝居を端々で垣間見てしまった分
失望も大きかったのだと思います。

素晴らしい活動をなさるなら
所属団体や思想など微塵も見せずに一切無関係でするべきだと
反面教師的に勉強になりました。

ボランティア活動経験者なら誰もが一度は経験する
「善意の悪用者」との出会いも避ける事は出来ない
良くある事なので多少の事は甘受するつもりでしたが
派遣村関係のボランティアはもう二度と参加しないつもりです。


ホームレスの方々 フリーターの方々 派遣切りに遇った方々等。
当日 色々な事情・人生を持った方々がいらっしゃいましたが
最初から職探しなんかする気が無く
生保斡旋業者にマージンを抜かれずに生活保護受給が容易に叶うから
という理由で派遣村に集まった数多くのホームレスの方々も
その朝の食事さえ得られたらその後はかまわないでくれという方々も
派遣切りで困っているけれど 人との交渉が面倒な飛び込み営業や
大好きなジャンルのイベントが多い土日に出勤が求められる会社や
清掃や葬祭業に就く位なら就職したくないから当分は生保を受けたい
という方も
自分が働く気が起きないのも朝起きれないのも絶対鬱だから
闘病・通院の為に生保を受けたい という方も
各々の違いは 私には分かりませんでした。


派遣業の存在の是非 派遣就労の自己責任云々はよく耳にしますが
私の学生時代 業種にかかわらず派遣でのお仕事は
既に当初から「ハイリスク・ハイリターン」と言われていました。
低学歴・低スキル・未経験、でも高給。
そのかわり「雇用を打ち切られる危険がいつでもある」というのは
誰もが知っていた事だった筈でした。


私の友人知人で 派遣社員として働く側になった人と
派遣会社を経営する側になった人がいます。

私の元クラスメイトに「高校通うのがバカバカしい」という理由で
高校を中退してしまった子がいました。
高校なんか行かなくても大検で一発逆転すればいいし
ダメでも就職先なんかいくらでもあるし
就職がダメでもバイトや派遣の方がお給料良いからいくらでも稼げるし
むしろ受験や就職等の無駄を一切省けて賢い人生かと。
おまえら馬鹿はまぁ頑張れ みたいな事を言って中退してゆきました。
中退者がほぼ皆無な学校だったので 親御さんも同級生も学校側も
そんな甘いもんじゃないんだよ と説得したにも拘らず。

皆が大学へ進学した頃 彼女は大検は諦めた様でしたが
こんなエアメールを時々送ってきてくれました。

「今私は派遣でガンガン稼いで旅行三昧です。
ひと月がかりでヨーロッパ全周したので次はアフリカ制覇目指します!
来月帰国したらごはん食べに行こうね!楽しみにしています!」

ある時はインド放浪 ある時は中韓グルメツアー等 優雅な内容でした。
その頃私はバイト代を殆ど学費につぎ込んで 外食なんてとんでもない
食費も睡眠も削る毎日だったので彼女との初デートは叶いませんでしたが
派遣での収入だけで世界旅行へ行ける彼女が正直羨ましい半面
貯金はしないのかな 2か月もお仕事休んで大丈夫なのかな 等と
余計な心配をしておりました。

結果 大丈夫じゃなかったんですよね。


一方 若くして派遣会社を興した知人がいます。
彼は大学の途中で親御さんを亡くし
当時まだ高・中学生だった弟妹の学費と生活費を稼ぐ為に大学を中退し
派遣やバイトに明け暮れた経験を自らの起業に活かしたそうです。

そんな彼が数年前に漏らしてくれた悩みと疑問は
「ハイスキルの派遣さんを抱えたいのに
派遣社員さんのほとんどがスキルアップに無関心である」
というものでした。
派遣社員さん達にアンケートを取ると
しばしば自分の将来への不安を訴える方が少なくなかったので
会社が費用を負担して格安で各種資格取得研修を受けられるようにしました。
にもかかわらず その大変有り難い社員教育制度を利用する派遣さんは
殆どいらっしゃらなかったそうです。

彼も私も苦学した身上として 彼らのスキルアップへの無関心ぶりには
理解が出来なかったのですが 彼の結論としては
「派遣は単なる収入手段であるだけだから関連資格取得なんて不必要で
きっと夢中になって努力している他の大切な事があるんだろうね。。」
とのことでした。

・趣味に打ち込む為に正社員を退職なさって派遣社員になった方
・ご自身の闘病の為・親御さんや親類の看病・介護の為に
やむを得ず勤務形態がフレキシブルなアルバイトや派遣を選んだ方
・努力しても学校の勉強が理解出来ず結果低学歴になってしまい
就職が叶わず 収入確保の唯一の選択肢として派遣業に就労した方
・長い事鬱病等で学業・就労が出来ず 新しく社会の第一歩を踏み出す為に
勇気を振り絞って派遣に入った方。

その人それぞれの人生や事情があり 理由があるから
派遣切りに遇われた方々全員を責めるべきではない事は当然ですし
心身の病やどうにもならない気持ちの塞ぎで働けない・動けない方は
決して無理をせずすぐに治療を受けるべきだと思いますが
自らが低スキル・低学歴の状態のままで努力をせず給与を得られる派遣を
ハイリスク・ハイリターンであると知りつつ選んだのに
派遣会社や派遣先企業や、製造業派遣導入した小泉さんを責めたり(※)、
首を切られて行き場が無くて何処からも援助の手が出て来ないからと言って
突如公共の場を占拠して自身の不遇の不平不満を
都や国にぶつけるのは筋が違うと思います。。


私自身、明日は我が身だと思い続けていますが
そうならない様にしなくてはいけない努力は惜しんでいないつもりです。
全てにおいて その立場になってみないと
その立場の人の気持ちは分かりっこない と公言していますが
私は「その立場」から這い上がって来た身として
また落ちてしまったら それは私の努力が足りなかったのだと思います。



※ 大の小泉さんファンを自称する私ですが
当時どん底かと言われた景気を盛りたてる為にやむを得ず採った政策であったとは思いますが その為に日本の大切な宝である製造業のクラフトマンシップの位置や質を下げてしまう結果を招いた点は両刃の大剣だったと思います。

でも そのおかげで大企業さんが元気を取り戻せて 大企業さんの景気に引っ張られて雇用も景気も復活出来て その数年後にはちゃんと努力や工夫や創意を形にした人達は多かれ少なかれの結実を実感できたと思います。

私個人としては政策的には成功だったと思うのですが。


長くなりすぎたので続きは後日に。