20070309

mimosa

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夕べ 九段下はイタリア文化会館へ
ソプラノ歌手 鈴木慶江さんのリサイタル
【ミモザのささやき】を聴きに行って参りました。

私は声楽は(も)まるで疎いのですが
彼女の姿も 彼女の声も
リサイタルの度に違う雰囲気がする気がします。
だから尚更楽しみだったりします。


彼女の演奏について触れる前に 言いたい事があります。


スタッフやお客さん お行儀悪い人が多かったです。
鈴木さんにも 普通に楽しみたい観客に対しても 失礼だと思います。
演者が万全の準備を経て良い音を聴かせて下さろうとしているのだから
観客は演者に"聴く態度"で応えるのが"鑑賞"だと思いますし
スタッフさんはあれこれ準備設営で大変かとは思いますが
少なくとも 演奏の邪魔は決してしてはならないと思います。


演奏後 演者自身に舞台袖への扉を開けさせるスタッフさん。

演目が終っていないのに 変な時に盛大な拍手始める人。
それに釣られ なぜか一緒に大拍手してしまう方々。

華道家関係者なのか 生け花パフォーマンスが終盤になると
背も盗まずに堂々とゾロゾロと途中退席する方々。

携帯電話やデジカメやビデオで撮影し続ける 液晶ホタルな数人。
それを注意しないどころか 演奏中に扉をバフバフ開閉し 機材を落し
演者・観客の集中力を途切れさせるスタッフさん方。

そして 赤ちゃん連れでコンサートにいらした方。
赤ちゃんに良い音楽を聴かせて楽しませてあげたいという
お母さんの気持ちはとても良く解かりますが
演目中に動かず無言でいられる年齢かどうか判断すべきですし
赤ちゃんのご両親が偉い方でも知り合いでも身内でも
スタッフさんはお断わりしなくてはダメだと思います。
赤ちゃんが大きな音響や盛大な拍手の中で
おねむの時間に2-3時間もじっとも黙ってもいられる筈も無いのに
静かにしなさいと叱られる当の赤ちゃんが誰よりも可哀相だと思います。

最後に 映画関係でいらしていた女優さん。
演目中のトークタイムは貴女のおしゃべりタイムではないと思いますし
コンサート中に携帯の着信音鳴らすなんて
もう二度としない方がいいと思います。
昨晩の貴女は 観客として最悪でした。


愚痴が多くてごめんなさい。


肝心の鈴木さんのお歌は素敵でした。
安定感のむらやコンディションの左右があったりで
失礼ながら個人的には感動!感激!という感じではないのだけれども
彼女は ふと突然ハマる瞬間を感じるので
CDよりも直のお声の方が好きです。

前半は集中がなかなか上手く行かないご様子でしたが
(※プロとは言えど 観客とスタッフによる度々の雑音の中です。
私は彼女を弁護します。)
後半は丸み厚み円熟を深めつつある彼女の本領発揮のステージでした。

昨晩は特に ディ・クルティス【忘れな草】と
ドヴォルザーク 歌劇ルサルカより【月に寄せる歌】が 胸に来ました。

この【月に寄せる歌】は 大大好きな
ヨー・ヨー=マさんとイツァーク・パールマンさんと小澤征爾さんのライブを収録した
【ドヴォルザーク・イン・プラハ】という素敵にゴージャスなCDの中で
ユモレスクと並び光放つ名曲。
サラ・ブライトマンさんの【ラ・ルーナ】のタイトル曲も
この曲をモチーフにしていらっしゃるそうです。



帰り 車を待つ間ぶらぶらと歩き
千鳥ケ淵ではらっとバラの様な香りを感じ
その方を見遣ると 一本 大きな桜が咲いていました

音も無く 気付く者も無くとも
確実に時を計り 季節を迎え 役目を果たす

暗がりの中のその姿に身を震わせ 気持ちを残し 夜を終えました
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