Sonata for Cello and Piano / Frank BRIDGE
.
今夜 N響定期演奏会で【英雄の生涯】を楽しまれた方。
いいな。。 とてもとても行きたかったです。。
帰路 諦め切れずにCDを買いにYAMAHA@2009年迄有楽町 に寄るも
とうに閉店。クラシックコーナーが妙に狭いTSUTAYAにも無く。
諦めて今夜はサラ・ヴォーンのダニーボーイに慰めて貰おうと
雨の中とぼとぼと帰って来た所 郵便局からの不在通知が。
送り主の名前を見て 反射でエントランスからダッシュ。
髪を縛り ジョギングスーツに換え 判子片手に郵便局迄走っちゃった。
※明日の東京マラソンに備えて準備していらっしゃるスタッフさんでしょうか
"明日頑張ってくださいね*" と素敵な笑顔と温かな声援を頂いてしまいました。
とんでもない 明日大変なのは貴女の方です。
夜遅く迄の準備 本当に本当にお疲れ様です。
大会でランナーが安全に気持ち良く走り楽しめるのは あなた達のおかげです。
雨が止み 怪我人病人アクシデントが出ず 良い大会になるといいですね。
さて 小包の贈り主は 留学中に大変お世話になった恩師でした。
私はこの恩師が大好きです。
先日 先生に大変おめでたい事があったとの大変嬉しいメールを頂き
大喜びでお祝いをお送りしたところ
今年で8回目 恒例のヴァレンタインのチョコレートに加え
お祝いのお返しも一緒に送って下さった様でした。
チョコレートボックス クマのイヤードール 小箱に詰まったCD達
そして いつになくちょっと意味深なカード。
まずは 迷わず開いた一枚目は Bridgeのチェロとピアノのソナタ。
ただひたすらに切なくなるほど美しい旋律。
これでもかと繰り出され 折り重ね綾み 凪ぎながら近づき遠ざかりする
ロストロポーヴィチのチェロ ブリテンのピアノ。
この二人の前にあっては 聴く者は翻弄され 取り残されてしまいそうな
そんな気すらしました。
ブリテンとロストロポーヴィチが出逢ってから8年目の
1968年夏の録音とのこと。
私が生まれる遥か前のこの音に
こんなに心を撫ぜ震わされる事に感謝した20余分でした。
夏が始まる前夜 雷鳴と共に 私はこの曲をもう一度聴きます。
.
.
さて この恩師が今もいらっしゃるかの留学先は
音楽とは全く無関係な分野であるにも拘らず
学生も指導者も 珍しい位に音楽好きが多く
当時の学長も芸術に親しむ場を惜しみなく作って下さり
毎週末の様に素晴らしい演奏家達に来て頂いて
演奏会が催されていました。
自らを削るが如く勤しむ者達に 音楽はいつも優しい。
そうやって皆 音楽に心を撫でてもらい 最高のカタルシスを得ていました。
あの素晴らしい音楽達によって 確実に何かが生まれていた気がします。
さて それら天上の音楽と真対極にある私のチェロの演奏は
今も酷いものですが 当時は"優しい"というよりも
"笑える"シロモノだった様でした。
と言うのも 楽譜を読めないまま耳と勘だけに頼ったモロに空耳演奏だった為
特に音楽に造詣の深い人にとって
私の【確かにバッハの無伴奏チェロに聞こえる何か】は
爆笑モノだったようです。
楽譜読めずによくぞここまで弾いたね とか バッハに謝れ! とか えーと 色々。
そのすさまじい "空耳バッハ" や "何となくハーバートのサビ部分" を
請われる度にチェロをお借りして恥ずかしげも無く披露し
皆のおなかを抱えさせては恥の上塗りをして喜ぶ恥知らずな私を
傍から観ても悲しかったのか 哀れに思ってくださったのか
何処からかチェロが得意な研究員を連れて来て下さり
大変有難い事に 週に一度 無料レッスンを受けさせて下さいました。
(私にはボランティアだと仰っていたのだけれども
本当は 先生が代わりに謝礼をして下さった気がします。)
正しい指使いは弾き易い為なのだと知ったあの日
冷や汗と共に目からウロコが落ちました。
恩師の優しさに触れ 自分の愚かさや恥を知り
偉大なチェリストへの敬意を更に深め
眼鏡をお借りして仰ぎ向いてyo-yo Maの真似 とか
髪の毛をメチャクチャにして猫背でDu Preの真似 などと
二度とするまい と固く心に誓いました。
以来 先生はチェロの秀作CDばかりをプレゼントして下さるのですが
いまだに その中で満足に弾けるのは1-2曲くらいなものでして。
やだ あのご恩を全然お返し出来ていないじゃないの。
が がんばりましょう 私。
.